フォルクスワーゲン・ボーラ V6 4モーション
VOLKSWAGEN BORA V6 4MOTION
試乗記
<写真はVWJホームページからのものです>


このクルマ知ってる人どれくらいいるのカナ??まずは、このクルマがどんなクルマなのかということをご説明 しましょう。

エンブレムを見てのとおり、フォルクスワーゲンのクルマです。ゴルフとシャーシを共用していて、カンタンに言えばゴルフのセダン版、先 代ヴェントの後継がこの「アドリア海に吹く風」という意味の「ボーラ」です。ラインアップは4気筒2リッター(116ps・17.3kgm)を搭載する 「Bora」をはじめ、V型5気筒と言う珍しい2.3リッター(170ps・22.4kgm)ユニットの「Bora V5」、そして今回の目玉V型6気筒SOHC2.8リッター(204ps・27.5kgm)を搭載す るV6 4モーションです。

さて、今回試乗したBoraはトップグレードであり、ピラ的にもっとも“熱い”V6 4モーションですが、この車は非常にレア車なんです!何故そんなレアな車試乗してんの?って思った人もいると思うのですが、実は、ちょっと買い換える気で いたんですよね〜318iを手放してこのボーラに。それでVWディーラーに行って「どうしても試乗したい!」といったところ、なんと、VWJのほうから車 を持ってきてくれて、さらに半日くらい貸し出してくれるというではありませんか!こりゃ売る気だな・・・と思いつつも是非!ということで、2月28日の 13時から17時までの4時間に渡って試乗いたしました。あ、でもご安心ください。のり換えるのはやめましたから・・・ここまでしてもらったのに悪いけど ね(^^;)

さて、今度はこのV6 4モーションについてお話しましょう。これを読んだら欲しくなっちゃう人いるかも!?
このクルマの何が“熱い”のか、それはまず駆動系。なんとこの車、名前は4MOTIONですが、Audi TTのクワトロと同じ4WDシステムを搭載しています。その4WDに組み合わされるのは、有名な狭角V6 2.8LとこれまたAudiTTクワトロと同じ6速ミッションで す。このパワーユニットは、全長4.3m、車重1.5トンのボディーをたった7.4秒で 100km/hの世界へ導きます。では、能書きはこのへんにして、試乗の感想にうつろうと思います。

上にも書きましたが、写真はすべてフォルクスワーゲンのHPか、カタログからのものです。試乗の時デジカメを持っていって、たくさん写 真を撮ったのですが、スマートメディアが壊れて全部消えてしまったのでそういうことになりました…



 
車が届いたという連絡を受け、うきうきしながらディーラーに向かいます。今回お世話になったディーラーは、フォルクスワーゲン水戸中 央。大変感じの良いお店です。ディーラーに到着すると、ありました。V6 4モーション!とりあえずコーヒーをいただき、早速試乗開始。今回の試乗車はブラックマジックパールエフェクトという色。V6にはこの他に、ジャズブルー パールエフェクト、リフレックスシルバーメタリックの全3色の設定があります。俺的には、買うなら左の写 真のジャズブルーパールエフェクトがいいっすね。他のグレードとの外観上の違いは、フロントグリルとモールにメッキが施されている というところくらい。他にも、アルミが7スポークだったり、マフラーが2本出しであるとか、フロントエアダムが専用品だったりとか、細かい違いはありま す。違いはどうであれ、基本的なプロポーションは同一なので、まさかこの車が0-100km/hが 7.4秒だなんて想像もつかないエクステリアであるのは確かです。
BMWよりは軽いクラッチを踏み、ウッドにクロームをあしらったシフトを1速に入れて乗り始めてみると、低速域でも十分に速い!街乗 り程度なら1000回転台で十分事足りますね。それに意外とこのくらいのサイズなら左ハンドルでもそれほど不便てことはないで。でも、UKやオーストラリ アには右ハンドルを輸出しているのだから、日本仕様に右ハンドルがないというのはいただけません。シフトはカチカチと決まるものではないで すし、ストロークも短くないのですが、特に不満はありません。でもここのフィーリングはBMWのほうがいいですね。クラッチもBMWよりは軽いです。さ て、お決まりのフルスロットル・・・・はぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!マジで速いです!そ りゃそうですよ。こんな小さい車にV6 2.8Lの204psに4WDを組み合わせて、速くないわけがありません
この写真はBORA V5のものですが、左ハンドルになる程度で、V6 4Mと同じイメージです。インテリアは非常に緻密に作られていて、質感は高いで す。ウッドパネルは個人的にあまり好きではないので、もしこのクルマを買ったらアルミパネルかなんかに交換したいです。インパネは基本的にゴルフと共通で すが、ゴルフより上級のイメージを狙ったのか、エアコンの送風口などがシャッタータイプと なっております。他社に先駆けてMDを標準装備化したフォルクスワーゲンですが、これは若者世代には良いけれど、MDって何?というような世代にいらない ものかも。ピラ的には大歓迎ですが♪ また、純正オーディオとしては音質は結構いいほ うだと思います。ちなみにヘッドユニットはSONY製です。青色の照明のメーターは カッコイイだけでなく見やすくていい感じです。凝ったデザインのメーター周りですが、アルテッツァのようにおもちゃっぽくなってないのがいいです。
V6には、レザーのレカロシートが標準装備となっており ます。サイドサポートもしっかりしているし良い感じです。電動シートは、動きがとろいので好きではありませんが、細かい調整ができるのは良いことですね。 また、シートヒーターも前席左右に装着されています。その他の装備では、電動ガラスサンルーフ、リヤサンシェード、自動防眩ルームミラー、レインセ ンサーつきワイパーなどなど至れり尽せりという感じです!内容を考えたらカナリお買い得なクルマですね!ただし!くらいインテリアは好きではない ので、インテリアカラーの選択ができるようにしていただけるとありがたいで す。現状では日本使用はブラックのみの設定ですが、本国にはグレーとベージュの設定があります。俺的にはグレーがいいですね。スポーツ=ブラックイ ンテリアなんて時代ではない!と思うのは俺だけ??
これがV6 2.8リッターのエンジンボーラには十分すぎるパワーユニットです。これに4WDを組み合わせるわけですから、・ b>向かうところ敵無しって感じです。

ただ、一つ言っておかなければならないのは、このクルマはかなりブレーキが貧弱。ディーラーいわく「踏 めば利きますよ」との事でしたが、そういうレベルではないと感じました。見た感じほかのグレードと同じ程度のブレーキではないでしょうか?4輪ディスク (F:ベンチレーテッド・R:ソリッド)とはなっていますが、初期制動、タッチ、ABSの利き始めのセッティングから、ABS作動中の制動力など、 どうも納得がいきません。同じ駆動系を持つAudiTTと比べても雲泥の差なので、ブレーキ に限ってはTTと同じ物ではないのでしょう。実は購入を見合わせた要因の一つ がこのブレーキ性能です。今乗っている318iも、フロントがベンチレーテッド、リヤがソリッドの組み合わせですし、恐らくロー ター径もBORAと同程度だと思われますが、セッティング、ブレーキの総合的な能力は圧倒的に 318iのほうが上ですね。峠を本気攻めで長時間走っても、BMWならピラの技量では、ブレーキが熱だれすることはまずありません ので、安心して攻め込めますが、BORAではそれは出来ないでしょうね〜
他が良いだけに大変残念です。



ピラが試乗の間で感じたことを勝手に書きつらねてみました が、とてもよく出来た車だと思いました。内外装の質感、各部の作りこみは申し分なく、固めだがそれなりに乗り心地のよい結構ぶんばる足回り、そして高いボ ディー剛性など、この価格でよくやるなぁと感心させられます。それだけに、あの貧弱なブレーキ性能がより際立ってしまったのかもしれませんが、トップグ レード、それもスポーティーグレードとしてBORAのトップに君臨するモデルとはとても言いがたい、悲しい性能のブレーキ。あれだけは今後何とか改善して いただきたいものです。いろいろ調べてみますと、本国仕様より小さいローターになっているとのこと。もちろん、ブレーキ性能に不満を持っていらっしゃらな い方も多くおられました。俺みたいな走りをしなきゃいいといわれればそれまでですが、それでももう少しこだわって欲しかったです。内容を考えればバーゲン プライスですが、やはり、基本である「走る、曲がる、とまる」という3本柱のバランスが取れていないといけません。何度も言いますが、フォルクスワーゲン 様、ブレーキだけは何とかしてください!

もどる